おきぎん経済研究所が発表した2019年度の賃料動向ネットワーク調査(調査対象沖縄県)。

・賃料動向ネットワーク調査とは
おきぎん経済研究所が平成10年度から毎年1回行う調査レポートである。調査概要は県内の賃貸物件を取り扱う不動産会社(2019年度は13社16店舗、管理戸数:32,908戸)から各地域の間取り別の賃料やその稼働状況などをヒアリングして、県内の主要地域における賃料動向や賃料の相場などをまとめている。
賃料動向ネットワーク調査 https://www.okigin-ei.co.jp/file/rent/2019.pdf
賃貸物件の稼働状況
市町村 | 2018 | 2019 |
宮古市 | 99.5% | 99% |
豊見城市及び東南部 | 93.4% | 97% |
石垣市 | 99.5% | 96.6% |
那覇市(新都心) | 98% | 96% |
沖縄市及び近隣町村 | 93.6% | 95.8% |
那覇市(新都心以外) | 90.5% | 94.1% |
名護市 | 96.8% | 92.8% |
浦添市 | 90.5% | 87% |
宜野湾市及び西原町・中城村 | 91.5% | 87% |
うるま市 | 92% | 85% |
『宮古市』は、建築工事等、法人の借上げや単身者等のビジネス需要あり、高水準を維持しているものの需給自体は落ち着き始めている。『石垣市』は、海上保安庁の配置増員に伴う借上げ増加以降、引き続き高い水準で推移している。『豊見城市及び東南部』は、那覇市に近く、生活環境も良いことからカップル・夫婦から家族世帯に人気があるため高い水準となっている。
部屋・タイプ別にみる賃料動向
・1R・1LDKタイプの動向【広さ5.6 ~13坪、平均入居期間3.5年】
新築物件:県内平均賃料51,400円、前年50,800円より1.2%上昇
中古物件:県内平均賃料43,900円、前年44,900円より2.2%上昇
新築物件は単身向け法人の需要により、宮古市が最もたかくなっている。中古物件は宮古市、石垣市、那覇西部、那覇東部に次ぐ高さとなっている。
・2K~2LDKタイプの動向【広さ10~18坪、平均入居期間5.1年】
新築物件:県内平均賃料72,400円、前年68,700円より5.4%上昇
中古物件:県内平均賃料57,100年、前年56,900円より0.4%上昇
供給が多い間取りであり、広めのLDK タイプは単身から家族世帯まで幅広い人気となっている。新築物件・中古物件ともに那覇地域、離島地域が高く、本当中北部が低くなっている。
・3K~3LDKタイプの動向【広さ14.5~24.3坪、平均入居期間6.3年】
新築物件:県内平均賃料85,400円、前年85,700円より0.4%低下
中古物件:県内平均賃料69,600円、前年68,700円より1.3%上昇
他のタイプと比較して供給量が少なく、幅広いエリアで需要が堅調に推移している。那覇新都心では建築可能な土地が減り、新築物件が減少している。離島地域では、供給不足、建築費高等の影響から高めの家賃せっていとなっている。
店舗・事務所物件の賃料動向
店舗・事務所物件賃料の平均坪単価は7,300円、前年6,300円より15.9%上昇している。
平均坪単価を上回っている地域は、『那覇市新都心』、『那覇市西部』、『石垣市』となっている。
その他
・県内各地の間取り別の需給バランス(賃貸管理会社ヒアリング)
・築年数経過による平均稼働率と平均賃料の推移
・人気の設備・好条件となる周辺施設について
これらの調査結果については、おきぎん経済研究所のレポートよりご確認ください。
まとめ
おきぎん経済研究所が発表した賃料動向ネットワーク調査は、これから賃貸物件の建築予定の方に有効な調査資料となっています。現在、新しく建物を建てた場合、その建物は半世紀近く残ります。どのような建物を建てたら良いのか、建築会社に頼るだけではなく、ご自身でも賃貸物件の相場感を把握し、できる限り将来のリスクを考慮して、より良い賃貸物件経営を行えるように様々な知識を蓄積していただけたら幸いです。